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バンドメンバー募集と一口いっても千差万別で、良い人がいれば、悪い人もいます。今回は2023年に出会った最悪の人物について書こうと思います。
きっかけはバンドメンバー募集サイト【OURSOUNDS】からの応募通知からでした。
「当方、東京事変、椎名林檎のコピーバンドです。ギターを探しています。良かったら加入しませんか?」というような内容でした。名前は伏せますが、ここでは「ザビ」という仮名で呼ぶことにします。
当時は元々やっているバンド「Spiral Pocket」が開店休業状態だったので、「まぁ暇だし、やってみてもいいか」という軽い気持ちでやってみることにしました。
「では課題曲があるので、それを覚えてきてください」という事で、何曲か事変・林檎の曲を覚えては耳コピしていました。椎名林檎の作る曲はコード進行が複雑で、結構コピーが難しいのですが、そこは自分の得意分野である耳コピ力でなんとか覚えることができました。
東京事変でおそらく一番有名な曲で「群青日和」という曲があるのですが、その曲の間奏でのギターソロについてザビに確認を取りました。ここのパートはものすごく歪ませて弾かないといけないのですが、その音が上手く作れなかったので、それを気にしなくていいか?とか、フレーズがややこしいので、ある程度アドリブで弾いてもいいか?などです。
そうするとザビはそこは絶対譲らなかったですね。
「いや、きよさん。そこは完璧にコピーしてください!」と返事がきました。
「そうか、この人は完成度を上げたいんだな。じゃあ、そこは自分の力で何とかしよう。」と私も前向きに頑張って、ほぼ間違いのない出来にまで仕上げました。
メンバーはボーカル、ドラム、ベース、キーボード、そしてギターの5人編成でした。ザビはその中の女性メンバーを異様に持ち上げるのです。
「ボーカルさんはものすごく上手な方です。今回初めてバンドで歌ってくれます。」「キーボードもオリジナルの人と変わらないくらい上手いです」
うーん、これはハードル上げてきたなぁ。私も頑張らないと、と張り切って練習に励みました。
そして初のスタジオ練習の日がやってきました。
スタジオの外で皆が待ち合わせていたのですが、ザビは一番早くいました。
「初めまして、きよです。よろしくお願いします」と挨拶したのでしたが、ザビはなんだか気怠そうに「ああ」みたいな反応で、不愛想でした。
「なんだ、こっちから挨拶してるのにちょっと失礼だな。でもやる気はすごいみたいだから、頑張るか」と考えました。
その時ザビはカメラの三脚を持っていました。練習風景を撮影したいんだな、という事はすぐに分かったのですが、なにか佇まいに異様な怪しさを漂わせていました。
そして残りのメンバーも集まってきまして、揃ってスタジオに入りました。
練習はそれなりに順調でした。特にボーカルさんはすごく歌い込んでるようで、とても上手でした。ドラムさんやキーボードさんも手練れていて、そつなく演奏していました。
私もさすがにかなり練習してきたので、特に問題なく演奏出来ました。
ザビはベースなのですが、なぜか物陰に隠れるようにして、椅子に腰かけて弾いていました。
で、ザビがバンドのリーダーっぽかったので、その都度休憩を入れたりしていました。その休憩を何度も何度も入れるので、不思議な感覚でした。
僕はギターに多少知識があるので、ザビの持っているベースにちょっと話を振ってみました。
「そのザビさんが持っているベースってファイヤーバードですよね?」というとザビは
「これはサンダーバードです!」とやけに不機嫌になるのでした。うーん、ちょっと取っつきにくい人だなあ、と思いました。どうも第一印象からして、嫌な感じのする人でした。
あとアコースティックギターの話になって「俺は織田哲郎が持っているエピフォンのアコギを弾いているんだ」と言い始めました。そこで私は「ああ、僕はギブソンのハミングバードを使ってますよ」と答えると、これまた不機嫌そうに「エピフォンもメチャクチャいいですよ!」とムキになりました。エピフォンというのはギブソンの下位ブランドで、値段も安い・・・というか安価で手に入れやすいメーカーです。比べて本家ギブソンは高くて、ハミングバードは現在の新品だと40万円くらいします。(私は中古で13万円で手に入れましたが)
なにしろ、なぜにそんなにムキになるのか、わからないです。何か見栄を張りたいのか、負けず嫌いなのか、何となく人間性が見えてきたのです。
ただここまでは「何となく取っつきにくい人」というだけの印象ですが、ここからが
恐ろしい人物像
であることが露わになっていきます・・・
練習が終わって、精算の時です。ボーカルさんがお金を払おうとすると、ザビが「ああ、ここは俺が払うから」とボーカルさんの分の料金を負担したのです。
「ん?なんだか変だな、なぜ奢ってあげたんだろう?ボーカルさんは遠いところから来たから、その分を負担してあげたのかな?」程度にしか考えませんでした。
次からもスタジオやろう!ということでこの日は解散しました。
その日の晩です。突如キーボードさんからLINEが私個人に送られてきました。内容は恐ろしいものでした。
「あのザビさんはボーカルの女の人を片っ端からナンパする男です。今回のボーカルさんも誘われて、一晩中意味のないLINEを何通も送ってこられて、とても嫌がっていました。過去にも何人もナンパされては辞めていきました。その都度ボーカルを募集しては、自分の思い通りにしていくのです。
ですので、きよさんもあのバンドは辞めた方が良いです、余計なトラブルに巻き込まれますよ。」というような内容でした。
ショックでしたね、そんな奴がいるのかと思いました。とりあえず私はザビに向けてLINEで今後の活動についてお断りの文章を送りました。
- 自分はやっぱりオリジナル曲をやりたい
- 自分のバンドに専念したい
というもっともらしい理由を付けて、メッセージを送付した後すぐにブロックしました。
とりあえず今回のことはこれで幕引きとなりました。
考えてみると女性メンバーを集めることは簡単なのです。
- 椎名林檎は当然女性なので、100%女性が集まる
- 椎名林檎に憧れる女性は多いので、応募してくる率が非常に高い
カラオケ気分で軽い気持ちで応募してくると、ザビの執拗なナンパに合うわけです。実に効率的で卑怯なやり方です。
私が辞めたのも上記の理由だけではなく、ザビとこれ以上活動すれば「ナンパ行動の片棒を担いで」いるような見方をされるからです。そんな見方をされるのは真っ平ごめんです。
バンド活動において女性問題を起こすと、大概ロクな事がありません。プロの世界でも上手くいっているのはサザンオールスターズくらいではないでしょうか。
つまり付き合ってる当人同士は幸せでも、他のメンバーからすると白けるわけです。当然付き合っているカップルには演奏の注意もし辛くなりますし、逆にバンドの主導権を握られて、思うように操られてしまうのです。
バンドは基本的に平等な立場でいるのが理想です。職場結婚とはちょっとわけが違うのです。ましてナンパの道具として利用するなぞとは、全く
外道の所業
と言わざるを得ませんね。
OURSOUNDSでもその辺を強調していて、ナンパ目的で使用すること事を固く禁止しています。守らないとアカウンド停止になります。ザビはアカウントをいくつも持っていて、ナンパでアカウント停止になると次々と別アカウントで同じ行為を繰り返すらしいです。サイト側もそういう事例が多いからそういう措置を取るのでしょうが、それをかい潜ってナンパ目的のメンバー募集を続けるのは、ちょっと異常です。
そんな男と一緒にバンドやるのは、金を積まれても嫌ですね。もっとクリエイティブな方向で活動していきたいと思っています。
ただ、収穫としては林檎・事変系の曲の耳コピで私自身のスキルが上がったことくらいでしょうか。もう曲自体はほとんど忘れてしまいましたが、練習している時開は楽しかった思い出です。
最後に思ったのは、あのボーカルさんのスタジオ代を奢ってやったのは、ナンパの対価として払ったという事だったと思います。そんな1500円程度のお金を奢ってもらったくらいで、ヒョイヒョイと付いてくる女なぞ、いるわけがない。ナンパが一度も成功したことがないというのが、ザビの哀れなところですね。バカは死ぬまで治らないわけで、いつか痛い目にあうだろうと思えてなりません。
そんなザビをモチーフに作った曲がありますので、良かったらご視聴ください。
と言ったところで今回はこれで筆を置きます。最後までお読みいただきありがとうございました。
今年のブログはこれで書き納めです。また来年も「きよ、ギターひとり旅」をよろしくお願いいたします。それでは良いお年を!
きよ
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