こっちから辞めてやる! 12月9日

随筆

PR

私はギターが専門なのですが、一応シンセサイザーが演奏できます。ピアノはシンセとはやや弾き方が違うような気がしますので、ここでは「キーボード」という言い方で統一します。

遡る事10年ほど前、いつものバンドメンバー募集サイトから

「キーボードが弾ける方を募集してます、練習場所は三河になります」というような内容でした。年齢は平均すると20歳くらいだったと思います。

迷いました。キーボードをやってみたいという気もあるし、でも三河まで行くのもダルいし・・・そうしたら「スタジオ代は僕らが払います!」という事でした。

楽しみ半分、不安半分で、イオン岡崎にある練習スタジオにキーボード持参で行きました。簡単な挨拶の後、彼らの演奏を見ていました。動画にあるように、全部英語の歌でした。聞くところによると、半分はオリジナルで残りはカバーだという事でした。聞いているうちに「多分これくらいなら弾けるんじゃないか」と思えてきました。そこでサポートという形で参加することにしました。

課題曲を7曲ほど与えられまして、毎日特訓の日々でした。特に右手と左手をシンクロさせて弾くのは自分としては初めての事だったので、かなり難しかったです。あとこれらもコードなどは分からず、全て耳コピでした。もっともキーボード用に五線譜を用意されても読めないだけですが・・・

なんとか弾けるようになり、3回ある約束の1回目のライブに参加しました。場所は名古屋・栄の広場でした。野外ライブです。お客さんはバンドのファンが何人もいて、それなりに盛り上がっていました。私は思う存分キーボードを弾きまくりました。

ただキーボードというのは、それ単体では音が出せず必ずキーボード用のアンプかPAからのモニタースピーカーがないと、自分が何を弾いているのか分かりません。

バンドのボーカル曰く「もうきよさん思いっきり弾いちゃってください!」というので思いっきり弾きまくりました。でも自分の音は聞こえても、お客さん側にはどうやって聞こえているかまではわからないのです。

その辺りはPAさんが調節して外音の音量を決めるのですが、おそらくですけども「キーボードがいるバンドなんだから、キーボードを強調してやろう」というような考えがあったのではないかと思います。

結果、お客さんからすると「キーボードの音が大きくて、他の楽器が聞き取りにくかった」という感想が出たらしいのです。

2回目のライブの前にボーカルが「あのさ、キーボードもっと小さくして弾いて」とぶっきらぼうに言うので、上記の「キーボードは自身で音量調整出来ないよ」と付け加えて、渋々了承しました。

次のライブは幸田町にある比較的大きなホールでのバンドコンテストへの出演でした。しかもアンコールで全員が「とある曲」をセッションすることになったのです。それは昔人気のあった

C-C-Bの曲でした。

というのも審査員にC-C-Bのメンバーの人が来ていたからです。その人がベース&ボーカルで、私がキーボードでした。コンテストの中でキーボードのいるバンドは我々しかいなかったので、そういう事になりました。

演奏は上手くいったと思います。特に間違えることもなく、緊張もなく、個人的には良かったです。

ただ、頭にくることがありました。

ステージ直前になってボーカルが「悪いけどさぁ、ここのメロディー3度上で弾いて!」とか言うのです。私は五線譜も読めなければ、急にそんな事に対応できるほどの腕はないのです。

「それは出来ないよ」と上記の理由を告げると

「フンッ!」

といった態度でどこかへ行きました。このボーカルとはどうも気が合わないのです。生意気だったんですよね、すごく。

集合写真を撮る機会がありました。メンバーは私を含めると5人になるわけですが、私は正式メンバーじゃないので遠慮していたんです。そうすると他の人たちが「良いじゃないですか、一緒に写りましょう」というので、じゃあ撮ってもらおうかなと思ったらボーカルが

「あ、こいつは写さなくてもいいから」

と言い放ちました。皆さんこのやりとり聞いてどう思います?腹が立ちますよね。でも若気の至りだからしょうがないか、と堪えました。

3度目のライブで私はサポートを降りることになっていたのですが、夜中のLINEでボーカルと揉めたことがありました。内容は忘れてしまったのですが、たしかまた急に曲を変えたりとか、そんな理由だったと思います。

思いのほか私は気が短いので「そんなんだったら、俺はもう次のライブなんか、出ない!辞めてやる!」と書き込みました。そうするとボーカルはなんて事ないような素振りで「すいませんけど、次もお願いいします」というような一文を送ってきました。

一応約束ではあったので、前回よりもさらに渋々、ライブに出ました。この日は小雨が降っていて、コンディションはよくなかったです。

今回追加になった曲を含めて6曲ほど演奏した後、私はボーカルは無視して他のメンバーさんに

「お世話になりました、じゃあこれで」と別れました。

この時撮影した動画があります。

ドラムさんの向かって右側にいるのが私です。

これは1回目のライブなので、確かにキーボードが大きめですが、他のパートも聞こえないという事は無いですね。言葉は悪いですが、素人さんからするとお目当てのメンバーの音しか聞いていないのではないかと思います。その辺はPAさんが上手いことやってくれたようにも思うのですが・・・

私自身も教訓を得ました。

生意気な奴とバンドは組まない!

と怒ったところで今回は筆を置きます。最後までお読みいただきありがとうございました。

きよ

コメント

タイトルとURLをコピーしました