カポ今昔物語 10月24日

随筆

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僕はカポタスト(以下カポ)との付き合いが長いんですが、今までいろいろなカポを使ってきました。

はじめは「鉛筆をゴムの輪っかで留める」自作のカポでした。鉛筆を棒の部分に見立てて、ゴムの輪っかで鉛筆の両端をグルグル巻きにすることで、鉛筆での弦の押さえつけが出来るというものでした。

当時はクラシックギターだったので、普通のカポだとネックの幅が広すぎて、うまく弦を留められなかったかもしれないですね。そういう面ではけっこう合理的な方法だったと思ってます。

次に初めてお金を出して買ったのは、これもゴムで留めるタイプのカポで、鉛筆ではなく鉄の芯にゴムの輪が通してある、というものでした。これは定番のカポで、初期の頃のアルフィーの坂崎幸之助氏も使っていたと記憶してます。浜田省吾氏の「ON THE ROAD FILM」の1曲目で「路地裏の少年」を歌う時に使ってます。

これはゴム紐より丈夫だったと思いますが、ゴムのテンションを決める鉄の輪の部分が取れてしまって、使い物にならなくなって処分することになってしまいました。その点はまだ改良点があるのではないかと思います。

次に買ったのは、金属製でバネの力で弦を押さえつけるタイプの物でした。これはなかなか優れもので、手元にあれば今でも十分に使えるものです。ネックの裏を布で押さえて、表をビニール樹脂の板で挟むという、合理的なものです。丈夫で簡単に使えるものとして、長年愛用してました。

ただバネが若干弱く、場合によっては音が出なくなる時があるなどの問題点もありました。安かったのでまた次のものを買っては、バネが弱るまで使うといった感じでした。

「一生、使えそうなものを買おう!」と、手に入れたのがヤマハのカポでした。これはネジ式でバネの代わりにネジで弦を押さえつけるものでした。バネが弱まることがないので、物が壊れない限りは絶対的に使い続けられるものです。当時5000円くらいで買いました。あとカポはバネの強さ弱さで弦を押さえる力が変わっていて、テンションの強い物だとピッチが上がってしまい、チューニングが合わないという事がよくあるのですが、このカポはテンションをネジで決められるため、チューニングの狂いは最小限に抑えることができました。

真鍮製の頑丈な作り、かつ豪華な金色で(だいぶ錆びましたが)これ買って30年くらい経ちますが、未だに使い続けてる名機だと思います。

ただこれにも弱点があって、棒の部分を固定するのがやや手間がかかるため、曲の途中でカポの位置を変える時などに(僕の場合、そういう曲を演奏する時は無いですが)やや面倒という事が挙げられます。

そこで買ったのは、今主流のバネでネックの片側だけ挟み込むタイプのカポです。今はスタジオでもこれを使うことが多いですね。チョンと挟むだけなので、取り外しはすごく簡単。で、よくある使い方ですが、使わない時・・・つまりカポなしの曲の時はギターのヘッドに挟んでおくことで、カポを使う曲の時にすぐはめられるという利点があります。なるほど今のカポはほとんどがこのタイプに取って代わられているのも頷けますね。

個人的にはやはりバネ式のカポはテンションの問題でピッチの上下に弱い、場合によっては音が出ないなどの症状があるのですが、挟み込む位置によってそれは最小限に抑えられるので、使い方次第かな?とも思ってます。

以上、自分が使ってきたカポについてお話してきましたが、基本的にエレキギターの曲ではカポは使ってません。どうしてもピッチが狂ってしまうのが気になってしまうので、その都度チューニングをするのも面倒ですし、そもそもその場合カポを取ってしまうとまたピッチが狂ってしまう(下がる)のが煩わしいと思ってます。

最近はプロのギタリストでもエレキギターでカポを使って演奏する機会が増えたように思います。プロの場合はギターを何本も用意して、カポありとカポなしの両方のギターを使い分ければいいと思うのですが、我々アマチュアギタリストは、上記までに述べたような問題を少しずつクリアしながら、うまくカポを使いこなすことが肝要ではないかな、と思います。

ではこの辺で筆を置きます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

きよ

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