ギターのナット 10月29日

随筆

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今回はギターのナットについて書こうかと思います。

ギターのナットとはヘッド側でギターの弦を支えている部品の事で、弦が最初に触れる大事な部分と言えます。実際にこの部分でギターの様々な事について関係してきます。

よく使われている素材は

  • プラスティック
  • 牛骨
  • グラフテック
  • ローラーナット
  • ロックナット

などです。私はプラスティック、牛骨、ローラーナット、ロックナットのついたギターを使ったことがあります。

普通のギターはプラスティックが主に使われています。音は至って普通で、自然な音色です。

ちょっと高価なギターになると牛骨が使われています。音質はプラスティックより乾いた感じの音が出て、より音がはっきり出るイメージがあります。

グラフテックというのはメーカーの名前で、品名は「TUSQ(タスク)」と呼ばれます。

TUSQは響きがよくなり、リッチな音になると言われています。他にもグラフテックが発売している「ブラックタスク」と呼ばれるものもあり、これは潤滑成分が豊富に含まれており、チューニングが狂いにくいという特性があります。

ローラーナットはナット自体に文字通りローラー・・・つまり球状の金属球が付いていて、そこを弦が通過するイメージです。上記までのナットは弦がナットの上を「擦れて」チューニングされているのに対し、ローラーナットはナットの上を回転することで摩擦を最小限にする仕組みとなっています。特にトレモロアームを使うギターにはチューニングの狂いが少なくなるため、重宝します。

私もローラーナットのギターを使っていますが、他のアーム付きのギターよりもチューニングの狂いは少ないと感じます。

ロックナットは少々特殊なもので、ロック式のトレモロユニットに使うものです。ロック式というのはヘッド側とブリッジ側の弦の動きを文字通り固定することで、弦のチューニングがほぼ全く狂わなくするものです。

ロックナットはヘッド側のロックするもので、金属製のナットの上に弦を通し、その上から金属の部品で押さえつける作りになっています。固定する際には通常六角形のネジを3本使い、弦の動きを完全に封じます。なので、ヘッドのペグを回しても音程は変わりません。

チューニングの方法としては、ロックしていない状態で普通にチューニングをした後に、ロックします。ただ、新しい弦は弾いているうちにチューニングが下がっていくので、ブリッジ側にある「ファインチューナー」という小さいネジで微調整をします。それでもチューニングが合わない時はロックを外して、ペグでの調整をしてからもう一度ロックすることで、音程の狂いはなくなります。

ナットはチューニングに大きく関係する部品のひとつです。

特にチューニングの狂いの原因はナットの調整がきちんとなされていない事が大きいです。ナットには弦を通すための溝が切ってありますが、この溝が綺麗に切ってないとチューニングはとても狂いやすくなります。たまにチューニングをしている時にナットから「ピキッ」と音が鳴ることがありますが、それの原因はナットの溝の調整が悪いことを意味しています。

ナットの溝の調整はとても難しく、特殊なヤスリで施工します。この作業はアマチュアには難しいので、必要な時はプロのリペアマンに依頼するのが良いでしょう。

もう一つナットが大きな役割を果たしているのは「弦高の高さ」に関係しています。よく初心者の方が「弾きにくくて、指が痛い」という場合、このナットの高さが高すぎることが原因に挙げられます。これも下手にアマチュアが加工しようとすると、余計なところまで削ってしまったり、均一で適切な面にならなかったりして失敗する可能性が高いです。なので溝の調整と同じく、リペアマンに任せた方が良いと思います。

ナットに限りませんが、特に初心者の方が「ギターが弾きにくく、上達しない」原因はギターの調整が上手くなされていない事が多いです。私も初めて弾いたギターはとても弾きにくくかったので、自分でナットを加工したりして少し弾きやすくなりました。ただ、やはり素人の施工なので、弦が余計な所に触れてしまったりして、決して上手な調整と言えるものではなかったです。なので近年は調整に関してはほぼプロのリペアショップに依頼しています。それが行く行くはギターの技術向上にもつながります。やはり調整されたギターは弾きやすくなり、プレイに集中できます。

新品で買ったギターでも調整されていないギターも存在します。なので、少しでも弾きにくいと感じたら、調整を依頼すると驚くほど弾きやすくなり、上達も早くなります。

今回はこの辺で筆を置きます。では、また。

きよ

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