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前日に引き続き、ギターのピックアップ(以下PU)について書いてみようと思います。
今回はエレクトリックアコースティックギター(以下エレアコ)のピックアップについてです。
エレアコのPUは大きく3つに分けられます。
- ピエゾPU(アンダーサドル)
- コンタクトPU(=ピエゾ)
- マグネティックPU
まずアンダーサドルのPUですが、ギターのボティー側に弦を支えている「サドル」がありまして、
そのサドルの下に、ピエゾ素子という圧力で電気信号を発する金属の板を敷きます。サドルの上の弦の揺れを電気信号として捉えて、プリアンプで増幅します。
おそらく7~8割のエレアコはこのピエゾPUを使用していると思われます。アコギに付き物のハウリングが起きにくく、セッティングも特に何もしなくて良いという利点があります。
欠点としてはピエゾPU特有の「プチプチ」したアコギとは違った音色に変化してしまうところです。これはギタリストの好き嫌いの部分があるので何とも言えませんが、挙げた様な利点を取るギタリストが多いことからも、多くのエレアコに採用されていると思います。
私はエレアコを3本所有してますが、3本ともピエゾPUです。その「プチプチ」した音が割と好きなんですよね。おそらく昔からよく好んで聴いていたギタリストが弾くエレアコの音がそのまま記憶に残っていて、それが当たり前になってしまっているのかな、と思います。
次はコンタクトPUです。これもピエゾ素子を使ったPUの一種で、直径2~3cmほどの板状のピエゾ素子をそのままギターのボディーの裏側や表側に貼り付けて、ボディーの振動を拾うタイプのものです。
このPUはアンダーサドルのPUが普及する前からけっこう使われており、古いライブ映像で見るとレッドツェッペリンのジミーペイジや、日本の1975年に行われた「つま恋コンサート」で、吉田拓郎や南こうせつらが使っているのが確認できます。日本のエフェクターメーカの老舗BOSSが初めてリリースした商品がこのコンタクトPUだったと言われています。
ピエゾPUよりもギター本来の音に近い音が出せるのが特徴で、好んで使うギタリストも多いです。欠点はアコギそのものがハウリングしやすいので、ボディーの振動を拾ってしまい、どんどんハウリングが大きくなってしまうという点が挙げられます。
私も一時期PUのないアコギにコンタクトPUを付けていた時期があったのですが、やはりハウリングが起きる事と、思った以上に剥がれて落ちやすいという点から、やむなく使うことを断念しました。
最後にマグネティックPUですが、通常のエレキギターと同様、銅線がコイル状に巻かれたPUをアコギのいサウンドホールに跨るようにセットして使用するというものです。
取り付けがとても簡単なので、取り扱いやすいです。また個人的にはハウリングにも強いように思います。欠点は音がどうしても「エレキギター」のような金属音が鳴るため、実際のアコギの音とは異なる音になってしまう点です。
これを補うために各メーカーは「マグネティックPU搭載のアコギに、本物のマイクを取りつけて、音をミックスする」というギターをリリースしたりしています。この「本物のマイク」を併用したエレアコは他にも上記の「ピエゾPU」「コンタクトPU」にも使われているものもあり、より本来のアコギらしい音を出力出せるよう、工夫しています。
マグネティックPUは私もよく使っていて、いわゆる生ギターに簡単に取りつけて演奏していました。ですが自分の好みの音とは違うのがどうしても違和感としてあったので、最終的にピエゾPUのエレアコに乗りかえていきました。
最近はエレアコのボディーを意図的にリズミカルに叩いて打楽器のようにして演奏する「スラム」という演奏法が流行していて、そのギタリストたちはマグネティックPUとマイクの併用型のPUを使っている事が多いように思います。
私は至って普通のギターの弾き方しかしないので、ピエゾPUのエレアコで十分ですが、時々コンタクトPUやマグネティックPUの音が恋しくなる時もあります。
今回はこのあたりで筆を置きます。最後までお読みいただきありがとうございました。
きよ
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