時給600円に下げるからな! 10月30日

随筆

タイトルの「時給600円に下げるからな!」は実際に言われた言葉です。私が高校1年生の時、近所のおしぼり工場でバイトをしました。このバイトは期間限定で、2週間だけの雇用でした。そんな理由もあって、休むことは許されませんでした。そこで出たのが冒頭のセリフでした。正確には

1日でも休んだら時給650円を時給600円に下げるからな

です。口調は決して誇張してるわけではなく、キツイ言い方でした。内心嫌だなと思いましたが、当時は真面目だったので、渋々働きました。

基本立ち仕事です。私は偏平足なので立ち仕事が苦手です。ベルトコンベヤーで流れてくるおしぼりを本数を数えて袋づめにすると言う作業でした。単純作業ではありましたが、意外にわからないところもあったので、横にいた同じ作業をしていた人に聞きましたが、彼はわけのわからない奇声を上げるばかりで、何にも会話が出来る状態ではありませんでした。後からわかったことですが、この工場は障害者雇用の作業所でもあったので、そういう知的障害のある人も少なからずいたようです。

それでもまあ何とか2週間勤めあげられたわけで、はじめての給料というものを手にしたのでした。これを握りしめ、大須のよくわからない楽器屋に飛び込んでアコースティックギターを買いました。たしか38000円だったと思います。それまでは実家で眠っていたボロボロのクラシックギターしか弾いたことがなかったので、それはそれは嬉しくて一日中弾いてました。それは今の私のギタリストとしての礎となりました。

ちなみにその工場に後年私の実母がパートで働いたことがあるのですが、あまりに環境が悪すぎて数日で辞めたそうです。母は昭和23年生まれで、決して楽な生き方ばかりをしてきたわけではないと思うのですが、そんな母が音を上げるほどの環境とはどれだけ劣悪なのかと思います。今でもそのおしぼり工場はありますが、私達親子が体験したような労働者がいないことを切に願います。

この話って、以前も書いたような・・・まあいいでしょう。

今回はこれで筆を置きます。最後までお読みいただきありがとうございました。

では、また

きよ

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