SSWのバックでギターを弾いた話 11月12日

随筆

シンガーソングライター(以下SSW)のバックバンドとして加入したのは、後にも先にもこの時だけした。かなり短い期間だったのですが、自分としてはいい経験だったので、ここに記すとします。

先日から書きました「東海道線フォークジャンボリー」に、そのSSWは参加するようになりました。時効だと思うのですが一応名前は伏せ字で、”か〇〇〇ま”さん(以下か氏)と言いました。か氏は自身がリーダーで、ボーカル&ギターをしてました。フォークジャンボリーには単独で参加していましたが、第10回でフォークジャンボリーを中止する時に「きよさんにバックでギターを弾いて欲しいんですが、どうですか?」と打診されたのです。

私としては断る理由もないし、これも先日から書いてます「路上ライブのバックでギターソロを弾く」という感じにも通ずるところがあり、快諾しました。

か氏はSSWとしてオリジナルが数曲と、昔のフォークソング・・・特に南こうせつ、かぐや姫、岸田敏志などに影響を受けていたようです。私的には世代がやや上になるのですが、そういうジャンルは得意だったこともあり、特に面倒なことはなかったのです。

か氏が率いるバンドがあって、リードギター、ベース、ドラム&パーカッション、4人でした。そこに私がギターとして参加したのです。

特にツインギターになるので、そのリードギタリストの技量は如何ほどかと思っていたのですが、私より遥かに上手くて、なぜ私に声をかけたのか理由がわからないくらいでした。

で、これも先日書いた「フォークジャンボリーをやめるきっかけ」を作った「自主制作のCD」を売っていたのが、このリードギタリストだとわかりました。そして私の事を若干見下した口調で

「もっとこういう風に弾いて」「違うセッティングにして」「そこは弾かなくていい」など細かい事を言ってくるものですから、ちょっと鼻についたのが正直なところでした。

また、か氏も音には厳しくて、特にドラムの人・・・女性の方でしたが、あまりにもキツイことを言うので怒りながら(泣きながら?)スタジオを飛び出していってしまった事もありました。私は目が点になって「いいんですか?」と尋ねると「ああ、いい、いい。いつもの事だから」と平然と答えました。

何か気軽に加入したバンドでしたが、早くも私のやる気は、ちょっと失せてきたのです。

ある日、か氏は6月に野外で開催される音楽イベントの話を持ってきました。先ほどのギタリストは「俺は120Wのアンプ持っていくから、あんたもちゃんとアンプ持ってこいよ」と言いました。

「言われなくても、持っていくわ!」と内心イライラしました。個人的にそれほど大きなライブでもないのに120Wのアンプ(多分ローランドのJC120)を持っていく必要があるのかな?とも思いました。

そんな事があって、ライブを控えたある日、か氏から私に「話したいことがある」と誘いがありました。

「ひょっとしたら、バンドをクビになるのかな?まぁあのギタリストと比べたら技術はないし、仕方ないだろう」と考えて話し合いに臨みました。そうしたら・・・

「あのギタリストは性格が悪いから辞めてもらおうと思っている。きよさんさえ良かったらバンドに残ってもらえないだろうか?」というものでした。あまりに意外だったので、驚きました。

もちろん私自身としてはこのバンド自体は嫌いではなかったので、その場で「残ります」と返事をしたのです。よって私がバンドのリードギタリストの座を手に入れたのでした。

6月のライブだったので、天気が悪かったのを覚えています。雨が降りそうな天気でしたが、ステージそのものはとてもうまくいきました。MCでか氏が「やっぱり、きよさんはギター上手いなぁ」と言ってくれたのが最高の誉め言葉だったと思います。やっぱりそう言われたら、嬉しいですね。

ただ・・・ここからが変な雰囲気になっていったのです。

次のスタジオ練習はいつにするか?という連絡を掲示板で問いかけても(当時はLINEなどなかったので、掲示板が連絡手段でした)、か氏からの反応がなくなってしまったのです。

これには他のメンバーも困惑しました。「どうしたんだろう?」掲示板で呼びかけても、無しのつぶてでした。何か嫌なものを感じました。

そして、その予感は当たったのです。

急にか氏からの書き込みがあったかと思うと「バンドは解散です!僕は東京に行って兄と活動します!」と唐突に言い出したのです。これに対して私を始め、メンバーも言葉を失いました。何があったんだろう?誰でもそう思いますよね。

そして決定的な書き込みが。

「バーーーン!!僕の頭は破裂しました!!!!もうおしまいです!さようなら!!」

???????何が起こったんだ?????

もうこのバンドは終わったんだな、そう思いました。そう思っていたのですが、実はドラムの女性だけが甲斐甲斐しく、か氏の事を心配するような書き込みをずーっとしていたのです。

それに対して、か氏は何でもないような素振りでしたが、この辺の関係もなにやら変なものを感じました。

結局バンドは自然消滅し、私の短いバックバンド生活も終わりました。短い期間でしたが、か氏の作る曲はオリジナリティーがあって、勉強になることも多かったです。決して無駄ではなかったかな?と思っています。

後日談がありまして、その6月の野外ライブに私の知人が見に来ていて、か氏の歌がなかなか良い、と思ったんだそうです。私としては事の騒動があったので、そういう気持ちにはなれませんでしたが・・・

なんと!か氏はソロで復活を遂げていたのです!

私としては、梯子を外された気がしたので、なんか興味もなくなっていたのですが、その知人はその話を聞いて、か氏のソロコンサートを見に行ったそうです。

そうしたら、あれほどキツイことを言われてスタジオを飛び出したり、掲示板で励ましたりしてた、ドラムの女性の人が、大きい花束を持ってステージまで、か氏に渡したのだそうです。

その話を聞いて、何だかドッチラケな気分にさせられました。

バンドにイヤな奴や、異性がいると、なかなかうまくやっていくのは難しいなぁ、

そんな事の顛末でした。

今回これで筆を置きます。最後までお読みいただきありがとうございました。

では、また。

きよ

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