ギタリストの皆様、そして全人類の皆様こんにちは。突然ですが我々ギタリストはなぜあんなにも歪み系エフェクターが大好きなのでしょうか。このテーマで語り出すとおそらく1年は余裕で夜が明けてしまいますので、今回は僕が人生で初めて大感動した名機をチョイスしてご紹介します。
その名もアンプ界の絶対王者がリリースした歪みペダル、
マーシャル「SHRED MASTER(シュレッドマスター)」
です。それまでの僕はお財布に優しすぎる激安の台湾製オーバードライブ(※実はBOSSのエフェクターも台湾製なので一概にチープとは言えない)や、蚊の鳴くような音しか出ないチープな練習用アンプの歪みで妥協してました。そんな折、当時バイブルとして愛読していた雑誌「バンドやろうぜ。通称バンやろ」で激推しされていたのがこのペダル。マーシャルのロゴが入ってるんだから、絶対神サウンドに違いないと当時の僕は鼻息荒く購入を決意しました。
お値段はジャスト1万円。それまで5千円以上のエフェクターなんて見たこともなかった僕にとって、これは国家予算レベルの超大奮発。清水の舞台からヘッドバットする勢いで思いきって購入しました。
早速喜び勇んでギターを接続し、ジャーンと鳴らした瞬間
「お、お、こ、これは(震え声)」
いやーん、なんて良い音なのでしょうか!
それまでのチープな歪みとは一線を画す、耳に心地良い重厚なサウンド。脳をたっぷり酔わせてくれる、とろけるようなトーンがそこにありました。特に秀逸だったのが、中音域を調整するコントゥアーというつまみです。これを回すだけでドンシャリから激アツのミドルサウンドまで自由自在。僕はややミドルを強調したセッティングで、完全に自分だけの世界にトリップしていました。
しかし恋の熱が冷めるのは早いもの。唯一にして最大の弱点がありました。なんと、マスターボリュームを限界まで上げても、音が妙に小さめだったのです。ガツーンと爆音で近所迷惑を極めたい!と思っていた若き日の僕は、次第に物足りなさを感じるようになってしまいました。
当時はまだバンドも組んでおらず、独りよがりの部屋弾きプレイヤーだったため特にためらうこともなく大須のコメ兵へダッシュ。秒速で安価にて売却してしまったのです。ああ、当時の僕の耳を引っ張って説教してやりたい。
それから時は流れ、風の噂でとんでもないニュースを耳にします。なんと海外の超有名ギタリスト(レディオヘッドのジョニー・グリーンウッド氏など)が愛用しているということで、中古市場でとんでもないプレミア価格が付いていたのです。プレミアはさておき,プロも絶賛する素晴らしい名機を私はなぜ手放してしまったのか。と己の浅はかさを呪い、枕を涙で濡らす日々が続きました。
そしてさらに時が流れた現在、長い沈黙を破りなんとあのシュレッドマスターが奇跡の公式再発売を果たしたのです。
「お、お、これは(震え声2回目)」
あの青春の興奮ととろけるトーンが、今なら新品で手に入る。しかしお財布事情と相談しながら、買うべきか買わざるべきか。僕の物欲センサーは今、かつてないほどの激しいノイズを上げて揺れ動いています。現場からは以上です。


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